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問題
中が見えない袋に〇のかかれたカード1枚と×のかかれたカード1枚が入っている。A、Bの2人が、袋からカードを取り出して、そのカードを袋に戻すという操作をAから始めて順に行う。N回目に取り出されたカードが〇で、次のN+1回目に取り出されたカードが×ならば、N回目に〇のカードを取り出したものが勝ちとなりこの操作は終了となる。このとき、Aが勝者になる確率はいくらか。
- \(\displaystyle \frac{2}{3}\)
- \(\displaystyle \frac{4}{7}\)
- \(\displaystyle \frac{5}{7}\)
- \(\displaystyle \frac{5}{9}\)
- \(\displaystyle \frac{6}{11}\)
想定問題
解答
解説
とても難しい問題です。
この問題を解くためは、問題10と似ている、という直感が必要です。
勝負がつかずに、何回も操作が繰り返されていくとき、互いに以前の相手と同じような状況になります。それが繰り返されていく構造です。
では、この着眼点で解きましょう。
勝負がつかずにこの操作を繰り返しているとき、
以下の2つの状況があります。
1.相手が〇を引いた直後にカードをひく
2.相手が×を引いた直後にカードをひく
AもBも、この2つの状況を繰り返していきます。
相手が〇を引いた直後にカードをひくとき、最終的に勝つ確率を \(P\)
相手が×を引いた直後にカードをひくとき、最終的に勝つ確率を \(Q\)
とします。
Aの勝つ確率とBの勝つ確率がそれぞれ \(P\) と \(Q\) でどのように表されるかを考察します。
Aの勝つ確率を \(x\)
Bの勝つ確率を \(y\) とします。
1回目 A
はじめのAは、それ以前の人がひいたカードがなく(〇も×もない)
例外です
ちょっと置いておきましょう。
2回目 B
2回目はBの番です。
1回目にAが○を引いたBが、その後勝つ確率は \(\displaystyle \frac{1}{2}×P\)
1回目にAが×を引いたBが、その後勝つ確率は \(\displaystyle \frac{1}{2}×Q\)
となります。
つまり、Bが勝つ確率 \(y\) は
\(y=\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{2}Q\)・・・①
となります。
3回目 A
3回目はAの番です。
それ以前の2回がどうであったのかは、以下のア、イ、ウ、エの4通りです。
アの後Aが勝つ確率
Aがこの状況になる確率が\(\displaystyle \frac{1}{4}\)、その後勝つ確率は \(P\)
より、\(\displaystyle \frac{1}{4}×P\)
イの後Aが勝つ確率
すでにAの勝ちが確定です。このようにAが勝つ確率は、\(\displaystyle \frac{1}{4}\) です。
ウの後Aが勝つ確率
Aがこの状況になる確率が\(\displaystyle \frac{1}{4}\)、その後勝つ確率は \(P\)
より\(\displaystyle \frac{1}{4}×P\)
エの後Aが勝つ確率
Aがこの状況になる確率が\(\displaystyle \frac{1}{4}\)、その後勝つ確率は \(Q\)
より、\(\displaystyle \frac{1}{4}×Q\)
Aが勝つ確率 \(x\)
Aが勝つ確率 \(x\) は
\(x=\displaystyle \frac{1}{4}×P+\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{4}×P+\displaystyle \frac{1}{4}×Q\)
\(=\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{4}Q\)・・・②
この操作は、必ずAかBのどちらかが勝者になるので、
\(x+y=1\)
です。
より、①と②を用いて、①+②=1と表せます。
\(y=\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{2}Q\)・・・①
\(x=\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{4}Q\)・・・②
つまり、
\(\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{2}Q+\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{4}Q=1\)
整理すると、
\(4P+3Q=3\)・・・③
となります。
当然ですが、これだけでは解けません。
もう1つ立式できないといけません。
1回目 A
ここで、はじめのAから何か情報が得られないか考えてみましょう。
1回目のAです。
A以前には何のカードも引かれていないわけですが・・・
!!これは!!
2.相手が×を引いた直後 と同条件である!!
と気づきましょう。
自分が○を引こうが、×を引こうが、この時点では勝負が決まらない状態です。
スタート時点も、相手が×を引いた直後も、同条件なのです。
このことに着目して得られるAの勝つ確率 \(x\) は
\(x=Q\)・・・④
です。
②=④なので、
\(Q=\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{2}P+\displaystyle \frac{1}{4}Q\)
これを整理して、
\(3Q=1+2P\)・・・⑤
が得られます。
よって、③と⑤を連立して解きます。
\(4P+3Q=3\)・・・③
\(3Q=1+2P\)・・・⑤
これを解いて
\(P=\displaystyle \frac{1}{3}\)
\(Q=\displaystyle \frac{5}{9}\)
と求まります。
Aの勝つ確率 \(x\) は \(Q\) と等しいので、\(\displaystyle \frac{5}{9}\)と求まりました。
先に引くAがちょっとだけ有利ですね。
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